書籍紹介

忠誠・同化を強要する論理

図書館で借りた「の境界」をようやっと(返却期限ギリギリで)読み終えた。 「日本人」の境界―沖縄・アイヌ・台湾・朝鮮 植民地支配から復帰運動まで作者: 小熊英二出版社/メーカー: 新曜社発売日: 1998/07/01メディア: 単行本購入: 9人 クリック: 67回この商…

今日図書館で借りた本。(11)

(返却予定日は2009.2.24) 朝鮮人強制連行論文集成作者: 梁泰昊出版社/メーカー: 明石書店発売日: 1993/07メディア: ハードカバーこの商品を含むブログ (3件) を見る 80年代の論文を中心に編まれたもの。朴慶植氏をはじめ、そうそうたる執筆者が並ぶ。個人的…

今日図書館で借りた本。(10)

(返却予定日は2009.2.20) 棄霊島 上作者: 内田康夫出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2006/04/27メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (9件) を見る棄霊島 下作者: 内田康夫出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2006/04/27メディア: 単行本 ク…

今日図書館で借りた本。(9)

(返却予定日は2009.2.3) 餓死(うえじに)した英霊たち作者: 藤原彰出版社/メーカー: 青木書店発売日: 2001/05メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 68回この商品を含むブログ (14件) を見る かなり前、Apemanさんの記事で何度か挙がっていた本。七割くらい読…

今日図書館で借りた本。(8)

(返却予定日は2009.1.20) INTERVIEW「部落出身」―12人の今、そしてここから作者: 解放出版社出版社/メーカー: 解放出版社発売日: 2003/03メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (1件) を見る 最近ミクシィの方で「被差別部落を考える」という…

今日図書館で借りた本。(7)

(返却予定日は2009.1.9) 昨日行ったのは自宅近くの分館で、今日行ったのは市立図書館の本館。 ようこそ"と言える日本へ" 弁護士として外国人とともに歩む作者: 土井香苗出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2005/08/27メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 4…

今日図書館で借りた本。(6)

(返却予定日は2009.1.8) 在留特別許可と日本の移民政策作者: 渡戸一郎,鈴木江理子,A.P.F.S.出版社/メーカー: 明石書店発売日: 2007/05/31メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (4件) を見る 在留特別許可については前に少し調べたことがある…

「戦争は罪悪である」読了。

戦争は罪悪である―反戦僧侶・竹中彰元の叛骨作者: 大東仁出版社/メーカー: 風媒社発売日: 2008/10メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 18回この商品を含むブログ (12件) を見る 竹中彰元の生涯についての記述ももちろん興味深かったけれど、著書の大東氏自…

今日図書館で借りた本。(5)

朝鮮人強制連行調査の記録―関東編〈1〉神奈川・千葉・山梨作者: 朝鮮人強制連行真相調査団出版社/メーカー: 柏書房発売日: 2002/06/01メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (1件) を見る 朝鮮人強制連行真相調査団の本を読むのは二冊目。前に…

今日図書館で借りた本。(4)

うひゃあ。これも例によって図書館にリクエストした本なのだけれど、前に借りた本をまだ読み終えてな〜い!だいたい今までの経験からすると、図書館にリクエストした本が届くのは早くて一ヶ月、遅いと二ヶ月くらいだった。それを見越してリクエストを入れた…

今日図書館で借りた本。(3)

細かく言うと、以前図書館にリクエストして、昨日届いたもの。 当事者が書いた強制連行―北海道・闇に消えた十一人作者: 鄭晢仁出版社/メーカー: 彩流社発売日: 1999/07/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る 今読み終わったところ。色んな意…

今日図書館で借りた本。(2)

NHKスペシャル 幻の外務省報告書―中国人強制連行の記録作者: NHK取材班出版社/メーカー: 日本放送出版協会発売日: 1994/05メディア: 単行本 クリック: 10回この商品を含むブログ (2件) を見る ちょっと「中国人強制連行」について調べたくなったので。詳細は…

今日図書館で借りた本。

海に消えた被爆朝鮮人徴用工―鎮魂の海峡作者: 深川宗俊出版社/メーカー: 明石書店発売日: 1992/07メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る前々回、前回取り上げた「朝鮮人徴用工の手記」同様、広島で被爆した朝鮮人徴用工についての書籍。筆者は…

鄭忠海「朝鮮人徴用工の手記」(2)

ところで、ネットで「鄭忠海」を検索してみると、ヒットする書き込みの多くが強制連行否定論の書籍*1で引用されている部分を挙げている。ここから推察するに、実際に「朝鮮人徴用工の手記」を読んだ上での書き込みはほとんどないように思える*2。 前にも述べ…

鄭忠海「朝鮮人徴用工の手記」(1)

先日取り上げた、鄭忠海「朝鮮人徴用工の手記」を読了。 筆者の鄭忠海氏は1919年生まれ。1944年に徴用によって広島の東洋工業に動員。翌年の原爆投下により被爆し、終戦後に帰国した。この本は、在韓被爆者渡日治療活動に携わっていた井上春子氏が、鄭氏の手…

自国の戦争責任といかに向き合うか

↑の議論の中では野村進氏の「コリアン世界の旅」の一節を引用したのだが、せっかくなのでこちらでも引用しておく。野村氏はベトナム戦争時の韓国軍の蛮行や、ベトナム戦争によって韓国がどれだけ“恩恵”を受けたか、またベトナムに二千人いるという韓越混血児…

外村大氏の論文

本当は今回、戦争責任に関する文をアップしようと思っていたのだけれど、書いているうちにまとまらなくなってきた上、遅い夕食をとったら満腹感で頭がぼ〜っとしてきたので、ひとまずそちらは寝かせておいて、今回は何度か言及した外村大氏の論文を紹介して…

デジャヴ

最近Apemanさん、hokusyuさんの周辺で盛り上がっているトリアージ・ホロコースト論争。各氏の意見を興味深く拝読しているのだけれど、ホロコーストについて疎いのもあって議論内容の三割位しか理解出来ていない。近いうちに議論の中で取り上げられている本*1…

「ヒロシマ」についての二冊。

本論に入る前の前おき。 昔観た「金八先生」の中で武田鉄矢扮する金八先生が生徒に語っていた言葉が、妙に頭に残っている。別に熱心に観ていたわけではないし、その時もたまたまそのシーンを目にしただけだったと思うので細かい部分は定かではないが、確かこ…

「世間をお騒がせして申し訳ありません」

自分で言うのも何だが、自分はどちらかというと温厚な方だと思う。だが、ある種の物事に対して、時に殺意に近い苛立ちを覚えることがある。 特に、「安易な慣用表現」「それを使うことで何がしかが隠蔽されてしまうような物言い」に過敏に反応してしまう。 …

渡辺清「砕かれた神」

砕かれた神―ある復員兵の手記 (岩波現代文庫)作者: 渡辺清出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2004/03/16メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 90回この商品を含むブログ (15件) を見る 以前紹介したジョン・ダワー「敗北を抱きしめて」の中でこの本の文章がか…

岩波は良い本たくさん出してるとは思うのだけれど。

前回紹介した本も岩波の本だし。でもここhttp://watashinim.exblog.jp/を読むと、中はいろいろあるみたい。よく「共産党は官僚を批判するのに、体質が官僚的」みたいなことが言われるけれど、岩波書店も同質の問題を抱えているのかもしれない。 ところでここ…

ジョン・ダワー「敗北を抱きしめて」読了。

何か、もぉ、おなかいっぱい。敗戦直後の日本を様々な面から捉えている。どちらかというと上巻は市井の人々に焦点が当てられ、下巻は天皇や政治家、占領軍についての記述が中心。「面白さ」という意味では、上巻の方が面白い。敗北を抱きしめて〈上〉―第二次…

犬糞食衛と犬の子と、あるいは日帝三十六年下の「パンク」

水野氏の「創氏改名―日本の朝鮮支配の中で」に興味深い記述があった。創氏改名への抵抗の事例として、「犬糞食衛」などと届出た者がいたと説明されることがある。歴史書では、文定昌『軍国日本朝鮮強占三十六年史』の記述がその始まりとされるが、「犬糞食衛…