歴史修正主義

「マンガ嫌韓流」の強制連行否定論を検証する。

今日、「マンガ嫌韓流4」が発売したらしい。まだ読んではいないが、k3altさんのこの記事を読む限り、まあ、ロクでもないわな。 ということで「発売記念」というわけではないが、以前ミクシィに書いたマンガ嫌韓流の強制連行否定論の検証記事に加筆したものを…

つくる会が(再び)センター入試にイチャモン

以前取り上げたセンター入試の件に、案の定「つくる会」が飛び付いてきた。 新しい歴史教科書をつくる会(藤岡信勝会長)は12日、大学入試センターに対し、先月行われたセンター試験の日本史問題について「南京での虐殺事件や、関東軍による張作霖爆殺事件…

秦郁彦氏に田母神「論文」を批判する資格はあるのか?(追記あり)

こちらで少し触れた、2004年のセンター入試で「朝鮮人強制連行」に関する問題が出題された件だが、秦郁彦氏が著書「歪められる日本現代史」*1でこのことに触れている。 歪められる日本現代史作者: 秦郁彦出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2006/01メディア:…

これは「釣り」か?

昨日行われたセンター入試の日本史Bにおいて、次の問題が出題された。 第6問 問 4 (…)1920年代から30年代にかけての日本軍の国外活動に関して述べた次の文I〜IIIについて、古いものから年代順に正しく配列したものを、下の(1)〜(6)のうちから一つ選べ。 I 日…

鄭大均「在日・強制連行の神話」を検証する(7)

戦時動員(強制連行)で日本に連行された朝鮮人のほとんどが終戦直後に帰国したこと、この事実は強制連行研究では常識であること、にも関わらず「〜神話」はそのことにきちんと言及せず(あるいは隠蔽し)、あたかも「強制連行論=在日が強制連行の被害者である…

いつか見た光景。

以前取り上げたADON-K氏のブログを久々に見てみたら、まだコメント欄が続いていた。 http://adon-k.seesaa.net/article/110996404.html 朝鮮人強制連行については、以前mixiでも議論したことがあるのだけれど、ADON-K氏と常連らしき人々の主張って、その時に…

「59年外務省見解」は朝日だけが載せたのではない

「強制連行は200人程」という誤認の記事で書き忘れていたこと。 ここで紹介した1959年7月13日の記事についてだが、ネットを見ると、これが「朝日新聞の記事」であることを殊更あげつらっていることが多い。要は「(サヨクであり、在日の味方であるはずの)朝…

ADON-K氏による雁屋氏批判を検証する。

前回取り上げた雁屋氏の記事にADON-Kという人*1がトラックバックを送っている。 http://adon-k.seesaa.net/article/110996404.html この記事に書かれている内容はネット上の「強制連行」否定論の典型的な例に思えるので、今回はこれについて取り上げる。 ど…

「強制連行は200人程」という誤認

前の記事に頂いたブックマークをたどっていたら、雁屋哲の美味しんぼ日記 「嫌韓・嫌中について その4」という記事を見つけた。 ここでは雁屋氏に届いた、典型的な嫌韓からのものと思われる投書が紹介されていて、その中に「朝鮮人強制連行も分かっているの…

何が問題だったのか。

ざっとだけど、この件についての意見やブログなどを読んでみた。 これは幾重にも問題が絡み合ってると思う。自分なりにまとめてみる。 ・まず、主張の是非以前に論文としてダメ(論文としての体をなしていない)。・主張の論拠がかなりトンデモ(コミンテルンは…

自国の過ちを認めることは「自虐」なんだろうか。

以下二本の記事はミクシィからの転載です。芸がないといえばそうだけど、ブレヒトさんもああ仰ってるし、ね。 たとえばアメリカを例に考えてみる。 かつてアメリカ先住民(いわゆるインディアン)の生活・文化を破壊し、「居留地」へ追いやったこと。 日本に対…

ネオナチの「分裂」と南京大虐殺否定論者の「矛盾」

「アウシュヴィッツとアウシュヴィッツの嘘>」を読んだ。 アウシュヴィッツと(アウシュヴィッツの嘘) (白水Uブックス)作者: ティル・バスティアン,石田勇治(他)出版社/メーカー: 白水社発売日: 2005/06/07メディア: 新書購入: 8人 クリック: 42回この商品を…

鄭忠海「朝鮮人徴用工の手記」(2)

ところで、ネットで「鄭忠海」を検索してみると、ヒットする書き込みの多くが強制連行否定論の書籍*1で引用されている部分を挙げている。ここから推察するに、実際に「朝鮮人徴用工の手記」を読んだ上での書き込みはほとんどないように思える*2。 前にも述べ…

鄭忠海「朝鮮人徴用工の手記」(1)

先日取り上げた、鄭忠海「朝鮮人徴用工の手記」を読了。 筆者の鄭忠海氏は1919年生まれ。1944年に徴用によって広島の東洋工業に動員。翌年の原爆投下により被爆し、終戦後に帰国した。この本は、在韓被爆者渡日治療活動に携わっていた井上春子氏が、鄭氏の手…

歴史修正主義者が答えに窮する質問。

前に少し触れた、ミクシィの南京事件関連のコミュ*1(否定派が多数を占める)での今日のやりとり。とある否定派の人から「在日認定」された上で「ベトナムで韓国軍はどれだけ酷いことをしたか。そんなやつらに日本人の戦争責任がどうこうなんて言われる筋合い…

鄭大均「在日・強制連行の神話」を検証する(番外編)

「コリアン世界の旅」つながりで、これもついでに。鄭大均氏は「ノンフィクション・ライターの野村進は、在日=『強制連行の被害者』論を否定するとともに在日知識人を批判して次のようにいう。*1」として「コリアン世界の旅」の一節を「強制連行」論に対す…

鄭大均「在日・強制連行の神話」を検証する(6)

さて、鄭大均氏の「〜神話」についての記事もこれで六回目となる。鄭大均「在日・強制連行の神話」を検証する(1) 鄭大均「在日・強制連行の神話」を検証する(2) 鄭大均「在日・強制連行の神話」を検証する(3) 鄭大均「在日・強制連行の神話」を検証する(4) …

鄭大均「在日・強制連行の神話」を検証する(5)

このシリーズの一回目で、「〜神話」の第一章「在日は強制連行の被害者である」と第二章「反論」の概要について簡単に触れた。 在日・強制連行の神話 (文春新書)作者: 鄭大均出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2004/06/22メディア: 新書購入: 2人 クリック: …

鄭大均「在日・強制連行の神話」を検証する(4)

続々・「『朝鮮人強制連行の記録』再考」再考―朴慶植は北朝鮮に「遠隔操作」されていたのか? 前回の記事では、鄭大均氏が金英達氏の記述を恣意的な形で取り上げ、朴慶植氏の「〜記録」が「方法論的いかがわしさ」に満ちた書籍だという印象操作を行ったこと…

鄭大均「在日・強制連行の神話」を検証する(3)

続・「『朝鮮人強制連行の記録』再考」再考 前回に続き、「〜神話」の「第四章 『朝鮮人強制連行の記録』再考」の内容を検証していく。 在日・強制連行の神話 (文春新書)作者: 鄭大均出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2004/06/22メディア: 新書購入: 2人 ク…

鄭大均「在日・強制連行の神話」を検証する(2)

前回の記事で朝鮮人戦時動員(強制連行)の定義・範囲ということについて触れたが、実をいうと、この「定義」について語る時、いつも胸にモヤモヤした、ざらついた感覚を覚える。「自分が言いたいことはこれ(だけ)ではないのに」という感覚、あるいはある事を…

鄭大均「在日・強制連行の神話」を検証する(1)

さて、少し前に予告したように、今回から何回かに分けて鄭大均「在日・強制連行の神話」(以下「〜神話」と略す)について検証していきたいと思う。 在日・強制連行の神話 (文春新書)作者: 鄭大均出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2004/06/22メディア: 新書購…