「在日は強制連行の被害者ではない」。で?


このブログでは「戦時動員(強制連行)で日本に連行された朝鮮人のほとんどは終戦直後に帰国した」「従って、現在の在日コリアンのほとんどは『強制連行』によるものではない」「これは『強制連行』研究における常識である」ということをしつこいくらい*1繰り返し述べてきた。これは「在日は強制連行されたとウソをついてきた」という俗論に対するアンチテーゼとしてそうしていたのだけれど、一方で「だからどうだというのだ?」という、苛立ちにも似た感覚も覚える。


例えば。きちんと調べたわけではないが、現在の広島市民の全てが被爆者というわけではないだろう。


仮に、広島の被爆者の九割ほどが広島市以外の場所に移住していたとする。その場合、「現在の広島市民のほとんどは被爆者ではない」と言うことに、どんな意味があるのか。


問題の本質は、そんなところにあるのではない。


しかし「在日は強制連行されたとウソをついてきた」論をはじめとする俗論・否定論が、人々の関心が事の本質に向かうことを妨げている。くだらない「足止め」をさせられている。


それが、とても腹立たしい。